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福岡でマンションが高く売却できますようにコツをアドバイス

2023.09.29

マンションを売却する際、少しでも高く売るために売主様がやるべき事、知っておくべき事を判りやすく解説しております。いま売却中だけど中々売れない売主様も一度立ち止まって、是非こちらの記事をご覧下さい。マンションの一室を売ろうと思った時に始まり、最終的な売却後の確定申告までを詳しく記載しております。

福岡市を上空から撮影した写真
写真提供:福岡市

 

目次

1.マンションを売却する事が決まったらまず行うこと
(1)住宅ローンの残債をご確認ください
(2)売却価格の相場の把握をお願いします
(3)おおまかな売却スケジュールをご理解ください
2.不動産会社に相談する
(1)まずは複数の不動産会社に査定して貰う
・一括査定サイトを利用する
・『ホームページ』や『チラシ』から不動産会社に連絡する際の注意点
(2)実際に売却相談をする不動産会社を選別する
・中古マンションの売却が得意な不動産会社を選ぶ方法
3.売却活動を依頼する会社と媒介契約を結ぶ
(1)媒介契約の種類と特徴
(2)媒介契約それぞれの注意点
・専属専任契約での注意点
・専属専任契約・専任契約での注意点
・一般媒介契約での注意点
4.媒介契約締結時に取り決めること
(1)マンションの販売価格
(2)媒介契約を結ぶ期間
(3)一般媒介契約では「明示型」「非明示型」を選択する
(4)不動産会社に支払う手数料
・仲介手数料の速算法
・低廉な空家等の売買取引における媒介報酬額の特例とは
・特別に依頼した広告の料金とは
5.いよいよマンションの売り出しが開始される~少しでも早く・高く売るためにできること~
(1)まず必ずやるべきことはお掃除です!
(2)値下げ交渉に備え物件価格を少し高めに設定しておく
(3)ライバル物件の動向を注視する
6.売却に出している中古マンションがなかなか売れない時に売主様が出来ること
(1)内覧希望者が現れないパターン
・市場に出ている自分の物件をチェックしてみましょう
・ポータルサイトの掲載写真を刷新する
・不動産会社との媒介契約は一定期間を経たら見直す
(2)内覧には来るが購入希望者が現れないパターン
・最低価格をみなおしましょう
・一旦市場から取り下げる
・リフォームやホームインスペクションを考慮する
(3)値下げは『タイミング』を見計らって『最大限効果的』に!
(4)最終的には不動産会社の買取も検討しましょう
7.購入の申込が入る
(1)購入申込書をもらう
(2)購入条件(買付条件)について
(3)同時期に複数の申込が入った際の対応
(4)一般媒介の場合は媒介を依頼している不動産会社に伝える
(5)引渡しまでの流れについて不動産会社から説明を受ける
8.不動産売買契約を締結する
(1)告知事項をチェックする
・物件状況報告書
・付帯設備表
(2)不動産売買契約書と重要事項説明書を確認する
・売買代金の総額と支払い期日
・所有権の移転時期
・付帯設備表の確認
・物件状況確認書の確認
・契約不適合責任の確認
・買主様が融資利用の場合、住宅ローン特約の確認
(3)手付金について
・解約手付とは
・違約手付とは
・証約手付とは
(4)売主様・買主様の日程が調整できず売買契約に同席出来ない場合
・持ち回り契約とは
・代理人を立てる場合
・一括決済とは
9.マンションの引渡しまでに行うこと
(1)融資銀行への連絡
(2)マンションを空にする
(3)決済日時を確定する
(4)決済場所を確定する
10.マンションを引渡す当日の流れ
(1)所有権移転登記の申請に必要な書類の確認
(2)売買代金などの支払いが行われる
(3)着金確認を行う
(4)諸費用を支払う
(5)鍵の引渡し及び「売買物件引渡し確認書」の記入
11.司法書士による登記の手続き
12.引渡したマンションの件で買主様からクレームが入ったら
13.居住していたマンションを売却した後で納める税金
14.まとめ
※参考資料
マンションの売却で売主様が支払う諸費用
マンション売却時に売主様の方で準備が必要になる書類や印鑑の種類
必ず揃えなくてはならない書類など
状況次第で必要になる書類など
売却活動時にお借りできると有難い書類
引越しの際の主なやることリスト

1.マンションを売却する事が決まったらまず行うこと

思い立ったが吉日ということわざがあるように「マンションを売ろう」と決断したら、すぐに不動産会社に連絡したくなるでしょうが、ちょっと待って下さい。不動産会社に連絡する前にチェックしておくこと、しておいた方が良いことがあります。

checkと書かれたイラスト
(1)住宅ローンの残債を確認する

住宅ローンの残債が残っている場合は残債の金額がいくらなのかチェックが必要です。
残債の確認方法は融資元となる金融機関から毎年送付されてくる「年末残高証明書」を見れば今のおおよその金額がわかりますし、インターネットで返済予定表を閲覧できる金融機関もあります。もし、年末残高証明書を紛失し、インターネットでの閲覧もできない場合は、融資元の金融機関に連絡し再発行の手続きを取りましょう。再発行には手数料がかかることがあります。
何故、残債の確認が必要なのかと申しますと、住宅ローンの残債の金額がマンションの売却金額を下回れば問題ありませんが、ある程度の金額が残っていて、売却した金額でローンの返済が難しいと売却自体ができない場合があります。そのような理由から必ずローンの完済が必要になりますが、ローン完済前に売却出来たとしても、マンションの売却金額が住宅ローンの残債を超えなければ、自己資金で補填するか、別のローンを組むことになります。
また、住み替えのために売却する場合で、住み替え先にも住宅ローンがあれば2つ分のローン額を返済することになります。その場合、売却したお金を住み替え先のローン返済にあてても良いことになってはいますが、一時的に2つのローンを組むことになりますし、一般的に住み替え先のローン審査は厳しくなっていますので注意が必要です。
また、資金的に余裕があり一括完済をお考えの場合、住宅ローンの一括返済には別途手数料がかかる場合がありますので、まずは融資元の金融機関にご確認ください。

(2)売却価格の相場の把握をお願いします

マンションは極端に申しますと新築後から建物の価値が下がっていきます。
実際に売却する時には不動産会社に詳細な査定をしてもらうことが必要になりますが、売ろうとしているマンションが今現在どれくらいの価格で売買されるのかを把握しておかないと、相場よりも大きく下回った価格で売却してしまうかもしれませんし、あるいは、相場よりも随分高い価格で売却に出してしまい、買い手がつかず売れ残ってしまうかもしれません。事前に相場を把握しておくことで、不動産会社の査定額が適正かどうかの判断につながります。 マンションの売却相場は、成約価格を基にした不動産取引情報提供サイト「レインズマーケットインフォメーション」や国土交通省の「土地総合情報システム」で調べることができます。 また、「スーモ」「アットホーム」「ホームズ」等の不動産情報サイトで、近隣の床面積や間取り、築年数が近いマンションが売りに出されていたら、その売り出し価格からも相場を分析できます。
相場が把握できたところで『ローンの残債』と『売却価格の相場』を照らし合わせ、住宅ローンが完済できそうなのか、いくらか残債が残りそうなのかも把握しておきましょう。

(3)おおまかな売却スケジュールをご理解ください

マンションを売却に出した日から売買契約までには平均して4ヶ月くらいの期間を要します。そして最終的な引渡しまでには売却開始から半年ほど時間がかかることが想定されます。マンションの売却に余裕(時間)があれば無理な値下げ交渉をされても別の購入希望者を待つことができますが、余裕がないとすぐに値下げ交渉に応じなければならない可能性が高くなります。
急に売却することが決まった方は仕方ありませんが、できれば引渡しを検討している日の半年以上前から売りに出すことをおすすめします。マンションの売却スケジュールは充分に時間的な余裕を持つことがポイントです。

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2.不動産会社に相談する

さて、ある程度準備ができたところで不動産会社にマンションの査定を依頼します。もし、この段階でマンションの売却自体を迷っていらっしゃる方は、悩んでいる点を不動産会社や、内容によっては司法書士などのプロに相談し、迷いが解決した後、査定に進まれれば良いでしょう。

シニア夫婦が営業マンに相談している写真
(1)まずは複数の不動産会社に査定してもらう

査定をしてもらう理由は「適正な売買価格を決めること」「資金計画を具体化すること」の2点です。中古マンションの相場は建物の床面積や間取り・築年数や周辺環境などで変化します。相場より高すぎれば売れませんし安すぎると損をします。複数の業者にお部屋を査定してもらうことで客観的なマンションの価値が見えてきます。適正な金額で売るためにも、必ず不動産会社に価格査定を依頼しましょう。
査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類の方法があり、ほとんどの不動産会社が無料で査定を行っています。
・机上査定:物件を訪問することなく過去の取引事例を軸として査定を行う方法
・訪問査定:物件や周辺環境を見たうえで査定を行う方法
具体的には、机上査定は不動産会社に電話やメールなどで売却したい物件の住所や間取り、築年数、所在階数といった簡単な情報を伝えると、不動産会社の方で過去の取引事例などを基にして大まかな金額を算出する方法です。机上査定のメリットは査定を依頼してから数時間~数日でスピーディに回答を得ることができる点、デメリットはお部屋を見ることなく机上で算出しますので、実際の売り出し価格とは誤差が生じることが多くある点です。
訪問査定は不動産会社が物件を直接訪問してチェックすることで、机上査定では分からない周囲の環境や日当たり、室内はもちろんマンション共用部の設備の情報など全てを加味したうえで厳密に査定をします。メリットは売り出し価格に近い数値が算出される点。デメリットは不動産会社がお部屋を見るので日程調整や応対に手間がかかる点、回答が届くまでに時間がかかる点です。
もし、沢山の不動産会社に物件を見られるのが嫌だとおっしゃる方は、机上査定を依頼したうえで、その中からどの不動産会社に訪問査定をしてもらうかの選別手段として、まずは机上査定を選択するのも良いでしょう。
いずれにしても、必ず一度は訪問査定をして貰わなくてはなりませんので、机上査定がまどろっこしい方は最初から訪問査定を依頼されると話しはより早く進みます。
大切なのは複数の不動産会社に無料で査定を依頼し、その結果をご自身で比較検討し、より正確なマンションの売却価格の相場を把握することです。

机上査定、訪問査定のメリットとデメリット

 【机上査定のメリット】
  不動産会社に会うわずらわしさが無い
  早ければ数時間後には査定金額を提示して貰える
 【机上査定のデメリット】
  実際の売り出し価格とは誤差が生じることが多い

 【訪問査定のメリット】
  正確な売り出し価格を知ることができる
 【訪問査定のデメリット】
  不動産会社の担当者に家を見られる
  日程調整や応対に手間がかかる
  机上査定に比べると査定金額の提示に時間がかかる

▼一括査定サイトを利用する
インターネットの一括査定サイトを利用すると1回の操作で複数の不動産会社から机上で査定金額を提示してもらうことができ、査定価格の比較もしやすいのですが、サイトによっては複数の不動産会社から大量に電話がかかってきますのでその点は覚悟が必要です。

▼『ホームページ』や『チラシ』から不動産会社に連絡する際の注意点
一番手っ取り早い方法が不動産会社のホームページやポストに投函されているチラシから電話やメールで査定を依頼する方法ですが、その際は1社に限定して依頼するのはリスクがありますので、必ず複数の不動産会社に依頼するようにしましょう。
もし、チラシに「当社にはこのマンションの購入を希望しているお客様がいます」や「相場より高く売却します」などの甘い文句が記載されていても決して飛びつかず、冷静に複数社の話しを聞くようにしましょう。

(2)実際に売却相談をする不動産会社を選別する

さて、依頼した不動産会社から査定価格が出揃い、所有しているマンションの相場が判ってきたところで、実際に売却の相談をする不動産会社を数社選別します。
何故1社ではなく数社なのかと申しますと、出てきた査定価格をご覧いただければ判るように、不動産会社や担当者によって査定価格に差が出ますし、不動産会社によってマンションの売却方法が違います。売却方法が違うということは売却期間に差が出るということになります。面倒でも最初は複数の不動産会社に相談し、その不動産会社の売却方法を詳しく聞くことが大切です。この時点ではまだ相談の段階なので、その先、実際に売却の依頼をする際に1社に依頼されたいと思うようでしたら1社に絞られてください。
しかしながら複数の不動産会社に相談と言っても当たりを付けた数が多すぎると、今後のやり取りが億劫になります。まずは気になる会社を数社、今後のやり取りが自分にとってストレスにならない数の会社を選別しましょう。
ここで注意が必要なのが、他の不動産会社より随分高い査定価格を出してくる不動産会社です。その不動産会社が「この価格で売れるので弊社に専任で預けて下さい。」と頼んできたら気を付けて下さい。査定価格イコール売却価格と思ってしまいがちですが、その不動産会社が自社に専任で預けて欲しいばかりに、査定価格を相場より高く算出してくる場合があります。そして専任契約が始まって少し経つと「予想より反響が少ないので売り出し価格を50万円下げましょう」と言ってこられ、あれよあれよという間も無く、専任媒介契約が終了する3ヵ月後には百万円程度値下げされたうえ、まだお部屋は売れ残っているという悲惨な状況が待っている可能性もあります。
また、同じく専任で預けてほしいばかりに「弊社にはこのマンションを購入したいと言っているお客様がいます。だから専任で預けて下さい。」と提案してくる不動産会社があるかもしれません。そのような提案があった際には「まずは御社とだけ一般媒介契約を結びますので、すぐにそのお客様にお部屋を内覧してもらって下さい。」と、ご回答ください。居住用の中古マンションを取り扱っている不動産会社であれば、どの会社にも購入を希望している顧客は一定数います。もし本当にそのマンションの購入を希望している顧客がいるのであれば、不動産会社はすぐにお客様を内覧に連れてこられるはずです。もし、内覧がないようでしたら、一般媒介契約を解除し、他の不動産会社と媒介契約を結ばれてください。
また、不動産会社を選別する際は、テレビコマーシャルなどでよく見る大手の不動産会社ということで安心感を抱いても話しを進めていくうえで担当者との相性が悪いと感じる会社や、一見、高額な査定額を提示してくれウキウキ上機嫌になったとしても、その後、自社での買い取りの話しをしつこくしてくるような会社はやめておきしょう。
不動産会社の選別で大切なことは知名度や査定額だけで判断しないことです。丁寧に対応してくれる会社なら安心して手続きを進められますので、会社と担当者をしっかりと見極めることが重要です。

 

▼中古マンションの売却が得意な不動産会社を選ぶ方法
すべての不動産会社が中古マンションの売却に強いわけではありません。不動産会社にはそれぞれ賃貸に強い会社、土地・一戸建てに強い会社、新築マンションの販売を専門に行う会社など、得意とする分野があります。また、全国にネットワークを持つ大手から地元に密着している会社まで、不動産会社のタイプも様々です。中古マンションには、新築マンションや戸建てや土地とは違う中古マンション特有の確認事項が多くあり専門性が高くなることから、中古マンション売買の経験値が少ない不動産会社だと失敗するリスクがあります。いざ買い手が見つかり契約となった時、中古マンションの売却に不慣れな不動産会社だと役所調査や管理会社への聞き取りに時間がかかりスムーズに売却が出来ないことがありますので注意しましょう。しかし、実際にどの不動産会社がどういった売却活動を行っているのかを事前に調査することは難しいので、まずは、マンションの売買実績が多くあるかどうかを判断基準のポイントにされると良いと思います。これは各社のホームページを閲覧し『取引事例』を確認することで判断できます。その会社のHPに中古マンションの売却実績が多く掲載されていれば、中古マンションの売却に強い会社だと判断できます。
どの不動産会社に自分の物件を任せたいか、問い合わせの対応なども考慮し慎重に選ぶようにしましょう。

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3.売却活動を依頼する会社と媒介契約を結ぶ

一般的に『媒介』とは両者の仲立ちをすることの意味で、不動産売買においては売主様と買主様の仲立ちをすることの意味になります。
これから中古マンションを売ろうとしている売主様は最初に不動産会社と媒介契約を締結しなくてはなりません。その媒介契約には『一般媒介契約』『専任媒介契約』『専属専任媒介契約』の3種類あります。それぞれの特徴をみていきましょう。

merit、demeritと書かれたイラスト
(1)媒介契約の種類と特徴
  一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
売却の依頼ができる不動産会社の数 複数社 1社 1社
自力で買主様を見つけて不動産会社を介さず契約する 可能 可能 不可能
媒介契約の有効期限 無し 最大3ヶ月 最大3ヶ月
REINS登録義務 無し 媒介契約成立後7日以内に登録 媒介契約成立後5日以内に登録
不動産会社から売主様への業務報告義務 無し 2週間に1度報告 1週間に1度報告

どの媒介契約を選択すればよいのかを迷われる場合は以下の注意点を参考になさってください。

(2)媒介契約それぞれの注意点

▼専属専任媒介契約での注意点
専属専任契約では、友人や親戚が購入を希望してきても、その不動産会社を介さなくてはなりません。友人や親戚に不動産会社を介さず売却できれば不動産会社に仲介手数料を支払う必要がありません。買い手を自己発見できない点は売主様にとって不利な契約と言えます。

 

▼専属専任・専任媒介契約での注意点
専属専任契約・専任契約で気を付けたい点はまず不動産会社によるお部屋の囲い込みです。
不動産会社は自社で買主様を見つけると、売主様と買主様の両方から仲介手数料を貰えますので、よその不動産会社が「購入希望者がいるからお部屋を紹介させて下さい」と言ってきても、売主様に知らせることなく、不動産会社の方が勝手に断ってしまう俗に言う『お部屋を自社で囲い込む』ケースがあります。このような事態に陥らないようにするため、専属専任・専任契約を締結する場合は、広告宣伝活動(ポータルサイトへの掲載やチラシの配布など)はいつから行い、REINSにはいつ掲載されるのかを確認するようにしましょう。 不動産会社はREINSに掲載している物件は、どの不動産会社からの購入申込みでも必ず受けなければならないという決まりがあります。しかし、残念ながらREINS掲載後も囲い込むような業者もいますので、あまりに問い合わせが少ないようでしたら、契約更新のタイミングで契約を解除するか一般媒介契約に切り替えることも視野にいれておきましょう。その際は予め、新しく媒介契約を締結する不動産会社に相談しておき、前の会社との媒介契約期間終了後、直ぐに売却活動に入って貰えるように打ち合わせておきましょう。
専属専任・専任契約期間内は他の不動産会社とは契約を結ぶことができませんので、媒介契約期間を慎重に検討し、納得した上で希望する期間の媒介契約を結びましょう。専属専任契約・専任契約期間の上限は3ヶ月と定められていますが、それを下回る1カ月や2ヵ月の期間でも問題ありません。特に専属専任の媒介契約では、先に申しましたように自己発見取引が出来ないという売主様側に不利な点がありますので、強引に3ヶ月の専属専任契約を求めてくる不動産会社には気を付けられて下さい。
なお、やむを得ない事情(引越しの予定が無くなった等)を除き、不動産会社側に落ち度がないのに媒介契約を解除する際は違約金が発生する場合があります。専任契約でも契約内容によっては、自分で買主様を見つけてきた場合、それまでの売却活動に要した費用を請求されることもありますので、契約締結前に不動産会社から詳しく内容を説明してもらうようにしましょう。

 

▼一般媒介契約での注意点
複数の不動産会社と媒介契約を結ぶ一般媒介契約では囲い込みの心配はありません。幅広く購入希望者を見つけられ3種類の媒介契約の中で一番良い内容のように見えますが、一般媒介契約を締結する多くの不動産会社は売主様から仲介手数料を貰えれば御の字で、あわよくば自社で買主様を見つけ買主様からも仲介手数料を貰えればラッキーくらいの心持ちでいることが多くあります。専属専任や専任契約と違い、チラシ配布等の販売活動は熱心に行なわれません。もし、自社でチラシを撒いたとしても、そのチラシを見た購入希望者が他の不動産会社を窓口にしてしまったら経費の無駄になってしまうからです。
また、一般媒介契約では、例えば修繕積立金の金額が変わった時や購入希望者が現れた際など何か起こった時は媒介契約を結んでいる全ての不動産会社に自分で連絡しなくてはなりません。沢山の不動産会社と媒介契約を結んでしまうと管理が大変になりますので、一般媒介契約を結ぶ相手は2~3社にしてくことをお勧めします。

いずれにしてもご自身で媒介契約書の内容をよく確認し、担当者とよく話し、何一つ不明な点がなく納得した上で媒介契約を結ぶようにしましょう。

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4.媒介契約を結ぶ時に取り決めること

Pointと書かれたイラスト
(1)マンションの販売価格

マンションの売り出し価格を決めるのは不動産会社ではありません。不動産会社は査定金額を出しますが、実際の販売価格を決定するのは売主様です。販売価格の付け方に決まりはありませんが、査定の金額に基づき不動産会社のアドバイスを受けながら、後悔することがないよう必ず自分が納得したうえで販売価格を決定しましょう。
急いで売却する必要がなく、少しでも高く売りたい場合は、査定金額より少し高い価格を付けて売り出すこともお薦めしています。
しかし、あまりに高すぎると購入希望者がなかなか現れない自体に陥りますので、価格を値下げするタイミングなど、売出し前に不動産会社と打ち合わせをしながら決められるとよいでしょう。

(2)媒介契約を結ぶ期間

前述しました通り、専属専任契約、専任契約の契約期間は最大3ヶ月と決められていて、通常3ヶ月の媒介契約を結ぶことが多いのですが、専属専任契約では買い手の自己発見が出来ないという縛りがありますので、不安な場合は1カ月や2ヵ月の契約期間にされておくことをお勧めします。

(3)一般媒介契約では「明示型」「非明示型」を選択する

・明示型:どこの不動産会社と媒介契約を締結しているのかを明らかにする形式
・非明示型:他の不動産会社に依頼しているのか、また、依頼している不動産会社の名前を明らかにしなくてもよい形式

明示型では売主様がどの不動産会社に依頼しているのかが判りますので、不動産会社同士「あの会社には負けたくない」と、自然と競争の原理が働きます。
売主様に「明示義務」がありますので、ウッカリ後から入ってきた不動産会社を他の会社へ明示することを忘れており、後から入ってきた会社が契約を決めた時は、その会社が参入してきたことを知らなかった会社から広告費などの費用を請求されることがありますので、その点は注意が必要です。
非明示型ではそのリスクはありませんが、不動産会社から見ると何社に依頼しているのか分からず信用されてないとも感じますので、あまり熱心な売却活動が行われない可能性があります。

(4)不動産会社に支払う手数料

まず仲介手数料は成功報酬として支払う手数料になりますのでお部屋が売れなければ払う必要はありません。お部屋が無事に売却できたら支払います。手数料は物件価格によって上限額が法律で定められており、不動産会社はそれ以上の金額を受け取る事を禁止されています。また、不動産会社によっては仲介手数料の値引きに応じてくれます。
仲介手数料の支払いは売買契約締結後に行われますが、そのタイミングは不動産会社によって多少異なりますので、支払う金額とタイミングは媒介契約時に確認しておきましょう。

▼仲介手数料の速算法

物件価格 仲介手数料
200万円以下 物件価格×5%+消費税
200万円超 400万円以下 物件価格×4%+2万円+消費税
400万円超 物件価格×3%+6万円+消費税

▼低廉な空家等の売買取引における媒介報酬額の特例とは
特例として『低廉な空家等の売買取引における媒介報酬額の特例』では、物件価格が400万円以下の場合、不動産会社は『調査費込みで最大18万円+消費税』の仲介手数料を売主様から受け取る事ができます。この場合、必ず事前に不動産会社から売主様に説明し、売主様の了承を得ることが条件となっています。なぜ、このような特例があるのかと申しますと、不動産会社は100万円の物件でも、1億円の物件でも発生する処理は同じなのに、仲介手数料は100万円の物件は5万円(税別)、1億円の物件は306万円(税別)と、作業量は同じなのに報酬には300万円以上の差が出てきます。
我々不動産会社にとっては、100万円の中古物件を売る作業より、5000万円の新築戸建て物件を売る作業の方が、むしろ簡単に思えたりします。
なお、この特例は売主様側の措置であり買主様は上の表の通りの手数料を不動産会社に支払います。

▼特別に依頼した広告の料金とは
売主様が特別に依頼されて実施した広告料金などの費用も請求される可能性があります。媒介契約書には特別依頼に係る費用「甲(売主様)が乙(不動産会社)に特別に依頼した広告の料金又は遠隔地への出張旅費は甲の負担とし、甲は、乙の請求に基づいて、その実費を支払わなければなりません。」という条項があります。
通常、中古マンションの売却を依頼された不動産会社はスーモ等のポータルサイトに物件を掲載し販売活動を行います。その結果、買主様が決まり、売買契約を締結する際には役所等に出向き様々な調査を行います。これらの通常発生する作業にかかる費用は仲介手数料に含まれていますが、売主様がその物件だけのためにネット広告やテレビコマーシャルなどを不動産会社に依頼した場合、この特別に依頼した広告料金の費用として請求されます。

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5.いよいよマンションの売り出しが開始される

中古マンションの売却にかかる期間は最初に媒介契約を結んで、最終的なお部屋の引渡しまで、おおよそ3~6カ月程度だと言われています。早い場合には2カ月ほどで完了しますが、買い手が見つからないと引渡しまで1年以上かかってしまう場合もあります。そこで、少しでも高く、早く売るために売主様が出来ることを解説します。

部屋の窓の拭き掃除をしている人の写真
(1)まず必ずやるべきことはお掃除です!

なんだ、そんな事か・・・と、これを読んだ方から笑われそうですが、購入を検討されている方の中には、前の居住者がどんな風にお部屋を扱っていたのかを重要視される方は多くいらっしゃいます。もし、購入を検討されている方が似たような条件の2部屋で迷われている場合、落書きやシールを剝がした後が目立っていたり、物が散乱していたり、水回りが汚れているなど、生活感がまる出しの部屋よりも、本当に長年暮らしていたのかと感じるほど綺麗な状態の部屋の方が喜ばれます。
また、売り手の印象も購入の決め手となります。室内の印象は毎日どんな風にマンションで生活してきたのかを感じられる部分ですので、何かしら不安を感じるような部屋では、立地が良いなど買主様にメリットがない限り大金を出して購入しようとは思いません。
もし、売主様がご売却前に次の転居先が決まっていらっしゃる場合は早めに引っ越されてお部屋を空っぽの状態にしておくのもおすすめです。

(2)値下げ交渉に備え物件価格を少し高めに設定しておく

自宅の購入は人生で一番高い買い物といわれますので、皆さん購入する時は少しでも安く買いたいと思っています。そして実際に購入を考えている方達はインターネットの情報などから、値引き交渉すれば少し安くなる可能性があることを知っていますので、多くの方が値引き交渉を行ってくるのです。もし、物件価格を最初から低く設定していると「もう少し安くしてほしい」と、値引き交渉をされても価格を下げられません。購入側の心理からすると値引き交渉に応じてくれるというのは、少しでも値が下がり自分だけの特別価格になったという達成感が生まれ、きっと嬉しい気持ちにもなります。これは購入を決断する判断材料となり、即購入を決断しても良いと考える即決の後押しにもなります。
いざ値下げ交渉をされた時にどこまでだったら下げてもよいのか、事前に不動産会社と打ち合わせておくようにしましょう。

(3)ライバル物件の動向を注視する

近隣に似た条件の物件が売却に出されていると購入者側から価格はもちろん、広さや間取り、築年数、室内の状態や設備、眺望、マンションの共用部分など様々な部分を比較されます。自分の物件の方が良い条件の場合は何の問題もありません。むしろライバル物件大歓迎のウェルカム状態です。
しかし、ライバル物件の方が好条件の場合、その物件の売却が完了するまでは、高い確率で自分の物件の方が売れ残る可能性があることを覚悟してください。そのような時は自分の物件を一旦取り下げることも視野にいれ不動産会社に相談しましょう。仮にライバル物件に購入の申し込みが入ったとして、そこから多くの場合、購入申込者のローン審査が始まり、更にそこから売買契約に至るまでには1カ月~2カ月かかります。ライバル物件の売主様は売買契約が無事に完了するまでは契約が飛んでしまう可能性があり油断できませんので、売買契約完了までは物件をスーモ等の市場に出しておきます。売買契約締結後は物件を市場に出すことは禁止されていますが、購入申込みが入っていて市場に出していることは何の問題もありません。ライバル物件がやっと市場から消えるまでの1~2カ月の間、自分の物件をライバル物件より悪い条件のまま市場にだしている状態が続きますと、どうしても売れ残り感が出てしまいます。物件を早期に現金化する必要があるので早く自分の物件を売りたいと頑張ってしまうと元々考えていた価格よりも更に低い価格に設定にしなければなりません。少し時期をずらせばそのようなことをしなくても売れたのにという事態にならないように、避けられるのであればライバル物件が売りに出ていない時を狙いたいものです。 そのためにも、急いで売って早く現金が欲しいと思うようなギリギリのタイミングではなく、時間に余裕を持って事前に市場調査をしておけばライバルのいない良い時期が狙えます。 ちなみに、賃貸市場ほど如実ではありませんが、中古マンションの市場が活発になるのは年始から3月にかけて、そして9~11月の2つの時期と言われています。特に1月から3月は、4月の新学期、新年度に転居することを見越して住み替えの検討を行う方が増え、そして9月は、10月の人事異動に合わせて住居を探す人が増える時期になります。

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6.売却に出している中古マンションがなかなか売れない時に売主様が出来ること

物件を売却に出したが中々売れない時は心細くなるものですが、一度売れない原因を不動産会社の担当者と一緒に深く考えてみましょう。まずは、売れない理由を「内覧希望者が現れない」「内覧には来るが購入希望者が現れない」の2パターンに分けて解説します。

両手で頭を抱える人の写真
(1)内覧希望者が現れないパターン

そもそも転入者が少ない地域に物件がある場合は中々売れないことを予め覚悟されておいてください。焦らず、長期スパンで内覧希望者が現れるのをお待ちください。直ぐに現金が必要な場合は不動産会社の買取を検討しましょう。
もし、転入者がいる地域なのに内覧希望者が現れない場合、お部屋が購入検討者側の土俵にも乗っていない最悪のパターンになりますので早めに原因を考え対策しましょう。

▼市場に出ている自分の物件をチェックしてみましょう
販売を開始しているのに内覧希望者が現れない場合、媒介契約期間満了まで不動産会社に売却活動を任せっきりにするのは賢明とは言えません。
物件を探している人の多くは、一度に複数の物件を検索できるスーモなどのポータルサイトを利用しています。不動産会社に自分の物件が掲載されているサイト名を尋ね、そのサイト内で物件がどのように掲載されているのかを売主様ご自身の目で確かめてみましょう。
ポータルサイトを検索する際の注意点ですが、購入希望者はポータルサイトの「地域から」「沿線から」のボタンを押して検索する人が殆どです。各サイトには物件名を直接入力して検索する方法がありますが、必ず、物件を探している人達と同じように「地域から」「沿線から」を選択し検索してみましょう。そうしますと近隣で売却に出されているライバル物件もあわせて一覧表で表示されますので、自分の物件とライバル物件の比較もできます。
【ポータルサイトで主に確認する部分】
□ライバル物件と比較して価格は高すぎないか
□どういった宣伝文句、キャッチフレーズが書かれているか
□写真は魅力的に写り、充分な枚数が掲載されているか ※次の項で詳しく説明しております
□セールスポイントがきちんとアピールされているか
□最寄りの交通手段に間違いないか ※複数の交通手段がある都心の場合は特に注意してご確認下さい
□平米数や間取りに間違いないか
まずは上記をチェックしましょう。もし、チェックしていて気になる点がでてきたら担当の不動産会社に問い合わせてみて下さい。その上で、価格の見直しなど、不動産会社と相談して対策を考える必要があります。

▼ポータルサイトの掲載写真を刷新する
お部屋の第一印象、なかでもポータルサイトに掲載される写真の印象はとても重要です。購入する方は、その物件で暮らすことを考えながら室内の写真を真っ先に見ます。本当は魅力的な物件なのに、写真の画質が粗かったり、照明が悪く写真全体が暗かったりするとお部屋を内覧してみたいという気持ちには至らず、室内の写真が売却活動の足を引っ張ってしまうことになりかねません。近年は写真だけでなく、動画を載せている物件も増えてきています。魅力的な写真、動画を掲載して貰えるよう不動産会社に依頼しましょう。また、写真の掲載枚数が少ない場合やアピールして欲しい箇所の写真が掲載されていない場合も、不動産会社に写真の掲載を依頼しましょう。

▼不動産会社との媒介契約は一定期間を経たら見直す
都市圏では中古マンションの販売開始から売買契約までにかかる期間は平均おおよそ3カ月というデータがあります。 『一般媒介契約』に契約期間の定めはありませんが、『専任媒介契約』『専属専任媒介契約』の場合には最大3か月間という契約期間の定めがあります。一定期間を超えても内覧希望者が現れないのであれば契約を見直すことを視野に入れることをおすすめします。その場合、契約満了前に新たに依頼する不動産会社を決めておき、前の会社との契約が満了したら直ぐに次の売却活動に入って貰えるように段取っておきましょう

(2)内覧には来るが購入希望者が現れないパターン

▼最低価格をみなおしましょう
中古マンションに限らず、売る側はできるだけ高く売りたいと思い、買う側はできるだけ安く買いたいと考えています。 時間をかけて売却する余裕があれば高値に設定しておくのもよいのですが、買い替えなどで売却期限が決まっている場合、希望する売却価格で買い手が現れそうにない時は予め最低売却価格を決めておきましょう。但し、価格を下げ過ぎて損をしないよう、最低売却価格は信頼できる不動産会社と話し合い、相談して決めていく必要があります。不動産会社によるマンションの査定額と、近隣の似た条件の中古マンションの相場を入念に調べ、損をしないギリギリのラインの最低売却価格を慎重に決めましょう。

▼一旦市場から取り下げる
先程の5.いよいよマンションの売り出しが開始される (3)ライバル物件の動向を注視するのところでも触れましたが、近隣に条件の良いライバル物件が売却に出されている場合、なかなか自分のマンションの方には購入希望者が現れないケースがあります。また、最初に高い販売価格で売り出してしまったことで内覧はするが購入まで至らないケースがあります。
一つ目の「近隣のライバル物件」ですが、ライバル物件の方が良い条件であれば、一旦自分の物件をポータルサイトから取り下げ、ライバル物件の掲載がポータルサイトから消えるのを待つことも検討しましょう。また、自分の部屋の条件の方が良い場合でも、ライバルと値下げ競争につながるようであれば、一旦引いて時期を見直した方が良いことがあります。不動産会社の意見を聞きながら競合が減る、もしくはなくなってからの再売り出しを検討しましょう。
二つ目の「高い販売価格で売りに出してしまった場合」ですが、売却完了までの期限が決まっているのに、中々購入希望者が現れないようでしたら、価格の見直しが必要になります。もちろん、売却期限に余裕がある場合はそのまま売りに出されておかれたら良いと思います。
いずれの場合も一旦ポータルサイトから抹消し、期間を置いて再度アップするのですが、再アップの際は、購入希望者に「同じ物件」が出てると思われないためにポータルサイトに掲載される『メイン写真』と『キャッチフレーズ』を変えることは最低限行いましょう。

▼リフォームやホームインスペクションを考慮する
売主様の金銭的負担になりますので慎重に考えていただきたいのですが、あまりにも売れない場合で、その原因が築年数のための劣化が考えられるようであれば、リフォーム工事を行うことも視野に入れましょう。フルリノベーションではなく、フローリングやクロスの張り替えなど、目につきやすく気になる部分だけでもリフォームを行うと見た目が大きく変わりますので、もし、金銭的に余裕があるようでしたら内覧者に好印象となる最低限のリフォームを行いましょう。また、買い手にとって安心な住居という証明にあたる「ホームインスペクション」を利用しましょう。第三者のプロによって診断をしてもらうことで、買い手にとっての安心材料になります。 2018年に開始された安心R住宅は、耐震性があり、ホームインスペクションを実施されている住宅に認定される国の制度ですので、ある程度費用がかかりますが大きなアピールにつながります。

(3)値下げは『タイミング』を見計らって『最大限効果的』に!

売却価格を値下げする場合には、ただ下げるのではなく、タイミングを考慮するとより効果的です。 年が明けて直ぐから3月にかけて、9~11月の時期、大型連休の直前は中古マンションを探す方が増える時期だと言われていますので、この時期に合わせて値下げをするとマンションの購入を検討する人たちの目に留まりやすく、問い合わせや内覧希望者を増やすことにつながる可能性が高まります。
また、物件の周辺に戸建てや賃貸アパート、賃貸マンションが多いようでしたら値下げのタイミングでチラシの配布を不動産会社に依頼するのもいいでしょう。戸建てに住まわれているご高齢の方の中にマンションへの住み替えを考えていらっしゃる方もいます。ご高齢の方の中にはスマホやパソコンの操作が不慣れでポータルサイトよりチラシを情報源にされている方がいます。
そして、賃貸住宅には月々の住宅ローンより高い家賃を支払われている方がいます。値下げのタイミングで、毎月のローン+維持費(管理費+修繕積立金)が周辺の家賃相場と変わらないくらいの金額になるようでしたら、その点を強調したチラシを配布するのも効果的です。
また、値下げる事を決めたら、物件を1カ月くらいポータルサイトなど市場から一切抹消するよう不動産会社に依頼し、1カ月後に値下げしたタイミングで再び市場に出せば、購入希望者に新しく安い物件が出たと思って貰えるような工夫もできます。

(4)最終的には不動産会社の買取も検討しましょう

とにかく早く売りたいという売主様は、不動産会社の『買取』を検討しましょう。買取ですと、不動産会社が買い手となるため、仲介での売却活動のようにポータルサイトに掲載し内覧して貰ったりという買い手を探す手間と時間が必要ありません。売却までの期間がとても短く、スムーズに行えることがメリットです。 ただ、不動産会社に仲介してもらって売却するより、売却価格は低くなってしまう傾向にあります。とにかく売却を急いでいる、価格は低くても良いという方におすすめの売却方法です。

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7.購入の申込が入る

書面にサインと捺印をしている写真
(1)購入申込書をもらう

購入希望者が現れたら『購入申込書』という書類が売主様のもとに届きます。『買付証明書』や『買付申込書』とも呼ばれますがどれも内容は同じです。
書類には主に、買主様の情報、取引の条件、購入希望額、手付金の額、引渡し希望日、買主様側の媒介不動産会社の情報などが記載されています。なお、『購入申込書』に法的な効力はありません。

(2)購入条件(買付条件)について

『購入申込書』に記載されている買付条件として多いものが『売買価格の値引き』『住宅ローン特約』になります。
価格の値引きについては、売主様にとって無理な値引きに応じる必要はありませんが、不動産会社に間に入って貰い売主様・買主様の双方が気持ちよく最後の引渡しまで完了できるよう上手に交渉を進めてもらいましょう。住宅ローン特約とは買主様が物件を購入するにあたり住宅ローンを利用する場合、万一、融資が下りなかった場合は売買契約を白紙撤回してくださいという約束になります。もし、ローンが金融機関から否決されてしまうと、その特約によって売買契約は白紙解約になりますので買主様から受け取った手付金は返還することになります。買主様のローンが通らないケースは少なくないため、ローンを組んで購入する場合はローン審査が終わるまでは気が抜けません。ローン特約につきましては売買契約書の項に別途記載します。
また、購入申込書への記載はないのですが、例えば「ソファやクーラー、カーテンなどの備品を置いていってください」などの交渉を行ってこられることがあります。そのような場合も不動産会社に間に入って貰い、応じられる交渉には応じ、応じられない交渉は不動産会社に上手に断ってもらうようにしましょう。

(3)同時期に複数の申込みが入った際の対応

これまで全く反響が無かったお部屋なのに、一件申込みが入ると、次々に問い合わせや申込みが入ることがよくあります。これは不動産会社の「あるある」と言ってよいと思います。売主様にとっては嬉しいことなのですが、うかれず、まずは落ち着いてご対応されて下さい。複数の申込が入った場合の優先順位としては「申込書が届いた順番」というのが一般的ですが「住宅ローンの事前審査が通った順」など、売主様がどうされたいのかを前もって決めておかれてください。過去に出会った売主様の中には「●月●日までに申込書が届いた人の中から自分が買って欲しいと思う人を選ぶ。」という方もいらっしゃいました。
ちなみに、法的な効力の無い『購入申込書』ということは、買い手側はいつでもノーリスクで申込みをキャンセルできるということです。しかしながら、軽い気持ちで『購入申込書』を出されては売主様にとってはたまったものではありません。ですから、媒介に入る不動産会社は『購入申込書』を出す側でも出される側でも、どちらを媒介する立場でもとても慎重に対応することになります。

(4)一般媒介の場合は媒介を依頼している不動産会社に伝える

一般媒介で複数の不動産会社に媒介を依頼している売主様は、購入申込書が届いたらすぐに、媒介を依頼している全ての不動産会社に購入申込が入ったことを伝える必要があります。もし、購入の申し込みが複数入った場合、どっちが先だったなどの不要なトラブルを避けるため、一般媒介の場合は申し込みが入ったら必ず遅滞なく媒介を依頼している全ての不動産会社に伝えなくてはなりません。

(5)引渡しまでの流れについて不動産会社から説明を受ける

『購入申込書』を受領したあとは、売買契約、決済、お部屋の引渡しに進んでいきますので、売却先が決まった時点で不動産会社から今後の流れについて説明があります。決済(買主様から売買代金の全額を支払ってもらう手続き)が完了しないとマンションの引渡しはできません。売主様の書類不備による決済遅延で違約金の支払いが生じないよう、必要な書類の準備や手続きを事前に済ませておくようにしましょう。
特に、住宅ローンが残っており、住替え先でも住宅ローンを利用される売主様は、今の住宅ローン・住み替え先での住宅ローンの2つに気を配る必要があります。住替えローンで住宅ローンを1本化される方も、金融機関と引渡しまでのスケジュールを擦り合わせ、手違いや勘違いで決済ができない事態に陥らないよう細心の注意を払うことが必要になります。
居住用の中古マンションを売却する際、決済までに売主様が準備しなくてはならない主なものは以下になりますが場合によっては司法書士の方から追加書類を求められることがございます。担当の不動産会社や司法書士より『必要書類』が記載された用紙を渡されますのでその内容をよくご確認ください。

▼決済までに売主様が揃えなくてはならない主な書類
・登記済権利証もしくは登記識別情報通知書(無い場合は司法書士に連絡し、売主様で費用負担のうえ、別途書類を準備して貰うことになります)
・印鑑登録証明書(3カ月以内に発行されたもの1通)
・実印
・認印
・売買代金入金先の通帳、銀行印
・本人確認がとれる身分証明書
※登記簿の氏名と現在の氏名が違う場合
・戸籍謄本1通
※登記簿の住所から1回移転された場合、登記簿までの変遷を確認するため
・住民票1通(登記簿上の住所の記載があるもの)
※登記簿の住所から2回以上移転された場合、登記簿までの変遷を確認するため
・戸籍の附票1通(戸籍の附票が保存期間経過で破棄されている場合は不在住証明書が必要になりますが、詳細は必ず司法書士に確認をとること)
・司法書士へ支払う抵当権抹消費用または名義変更費用
・不動産会社へ支払う仲介手数料
・お部屋の鍵など買主様にお渡しするもの など

 

※決済日に売主様ご本人ではなく代理人を立てられる場合は、事前に売主様と司法書士が面談したうえで、当日は以下の書類が必要になります。
・委任状(売主様が自署、売主様の実印を押印)
・売主様の印鑑登録証明書(3カ月以内に発行されたもの)
・代理人様の印鑑登録証明書(3カ月以内に発行されたもの)
・売主様と代理人様の本人確認書類

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8.不動産売買契約を締結する

営業担当者と一緒に書類を記載している夫婦の写真
(1)告知事項をチェックする

2020年の民法改正に伴い、売主様は物件について契約不適合責任が問われることになりました。契約不適合責任とは買主様に引渡した物件が売買契約書の内容に適合していないと判断された場合、売主様がその責任を負うという規定です。売主様に不利な規定ですが、売主様は物件の状況を売買契約書で告知し買主様が告知事項を承知のうえで契約を締結すれば、後から売主様が責任を負わされることはありません。
売買契約に関する書類一式は担当の不動産会社が作成しますが、告知事項に関する書類は売主様が記入します。必ず担当の不動産会社と一緒に項目を一つずつ確認しながら記入するようにしましょう。売主様が記入する書類は『物件状況確認書』と『付帯設備表』の2種類があります。
・物件状況確認書:売却する中古マンション自体の状態や周辺環境を記載
・付帯設備表:売却する中古マンションの室内に付いている設備とその状態を記載
それでは『物件状況確認書』と『付帯設備表』をそれぞれ具体的にみていきましょう。

▼物件状況確認書
物件状況確認書において売主様が告知しなくてはいけない瑕疵は室内の不具合だけでなく、心理的な瑕疵なども含まれます。具体的には『物理的瑕疵』『心理的瑕疵』『環境的瑕疵』『法律的瑕疵』があります。どれも法律で明確な基準が定められているわけではありませんが『心理的瑕疵』については国土交通省からガイドラインが発表されています。
参考:※国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」

『物理的瑕疵』お部屋の欠陥のこと。既に修理済みの瑕疵でも告知しておく必要があります。(例:壁のヒビ、白アリ被害、雨漏りなど)
『心理的瑕疵』対象物件内で起こった事故のこと。いわゆる事故物件のこと。(例:室内での自殺や事故死、殺人など)
『環境的瑕疵』対象物件内ではなく物件周辺において買主様が負担に感じる環境のこと。(例:近隣に暴力団事務所がある、上階からの騒音、振動や異臭など)
『法律的瑕疵』物件が法律違反の状態にあること。(例:容積率、建蔽率の違反)

環境的瑕疵の中で「騒音」は人の感じ方で変わってきますので、例えば上階のお子様の足音について売主様は問題無いと感じていても買主様の方は騒音と感じてしまうかもしれません。マンション売却後の騒音トラブルで裁判に発展した事例もございますので、気になる点は勿論、普段気になっていない事柄でも、日常生活を振り返ってみて上下左右から音はしないか、過去これまで異臭などはしなかったか・・・など、もし気になる事がありましたら全て隠さず不動産会社に報告しておきましょう。
法律的瑕疵につきましては築年数の古い中古マンションでは稀に法律的瑕疵状態のマンションが有ります。もし、売主様が法律的瑕疵を把握していなくても、不動産会社が売買契約書を作成する時に行う役所調査で気づきますので、マンションのお部屋の売却においては法律的瑕疵で売主様が責任を負わされることはあまり無いと思います。もし、中古マンションの売買契約に慣れていない不動産会社に仲介を任せてしまうと、この法律的瑕疵に気づかない場合がありますので、このような点からも物件を任せるなら中古マンションの売買に精通した不動産会社に任せることをお勧めします。
また、物件状況確認書には引き渡すお部屋のことだけでなく、管理費や修繕積立金の変更予定、マンションの大規模修繕の予定、自治会費の金額や支払い方法など、マンション全体に係わることも、売主様が知っていれば「知っている」と記載しておかなくてはなりません。このため、売主様の方では事前に総会の議事録や資料、理事会の報告書などに目を通しておく必要があるのですが、不動産会社の方でも重要事項説明書を作成する際に管理会社から一連の資料を取り寄せ確認しますのでご安心ください。しかしながら、マンションの売却に不慣れな不動産会社は管理費や修繕積立金の値上げに気付かないかもしれません。管理費や修繕積立金など、お金に係わることは買主様にとって大変重要な点になり、万一、決定している管理費等の値上げのことが買主様に知らされなければ、後に大問題に発展しかねません。再度になりますが、物件は中古マンションの売買に精通した不動産会社にお任せされることを強くお勧めします。

▼付帯設備表
付帯設備表には、お部屋に付いている設備とその状態を記載します。例えば、買主様がお部屋を内覧された際にエアコンが設置されているのを見て「この部屋はエアコン付きなんだ」と思いこまれることがあります。しかし、そのエアコンは売主様が次の引っ越し先に持って行くものだとします。お部屋を引渡した後、エアコンが有ると思い込んでいた買主様は「室内にエアコンが無い」とクレームを言ってくるでしょう。そのようなトラブルを避けるため、設置されている設備を書き出し、故障しているなら「故障している」と隠さず告知します。
一般的に物件引渡し後は付帯設備表で告知していない主要設備の故障は売主様に補償義務がありますが、売主様が個人の場合に限り、買主様の了承を得たうえで売買契約書の特約により契約不適合責任は免責されることが多いです。ただし、売主様が契約不適合を知っていながら買主様に告げずに売買契約書を締結した場合、免責は無効となります。なお、売主様の補修義務期間を物件引渡し後から1週間以内など、期間を定めている売買契約書もありますので、必ず売買契約書面をご確認ください。
もし、不明点、疑問点、不安点がありましたら、どんな小さなことでも担当の不動産会社に質問や相談をし、全てクリアにしたうえで売買契約を締結されてください。
ちなみに、ここまでご覧頂いたとおり最初の査定に始まり売買契約書締結までに売主様と不動産会社の間では何度もやり取りがあり、更に、この先の決済までも同様に連絡を取り合う必要があります。従いまして、担当の不動産会社を選ぶ際は、相談しづらい雰囲気の会社や話しがかみあわない担当者ではなく、丁寧に対応してくれる会社や担当者を見極めるようにしましょう。

(2)重要事項説明書と不動産売買契約書を確認する

さて、告知事項や金額面などで売主様、買主様の双方が納得できればいよいよ売主様と買主様、不動産会社が集まって重要事項の説明や売買契約書の読み合わせが行われます。重要事項説明書は買主様に向けた説明が多いのですが、不動産売買契約書は売主様にとって大切な書面になります。特に以下の項目に注意しながら全文を必ず確認するようにしましょう。

▼売買代金の総額と支払い期日
手付金の額と残代金の額、残代金がいつまでに支払われるかが記載されています。

▼所有権の移転時期
買主様が売主様に残代金の全額を支払った時点で所有権が買主様の方に移転することが記載されています。また、一般的に中古マンションの売買では『売買代金の残代金(手付金が無い場合は売買代金の総額)の支払日』『物件の引渡し日』『所有権移転登記の申請日』は同日に行われます。

▼付帯設備表の確認
買主様に引渡される設備や物、その状況が記載されています。ここに記載されていない設備・物は全て撤去したうえで買主様にお部屋を引渡すことになります。

▼物件状況確認書及び契約不適合責任の確認
先程の項で説明しました告知事項及び契約不適合責任はここに記載されます。付帯設備表と物件状況報告書は物件引渡し後に売主様を守ってくれる大切な書類になりますので、記入漏れや記入ミスが無いかよく確認しましょう。また、契約不適合責任の通知期間なども忘れずに確認しましょう。

▼手付解除の期限
売主様は手付金の2倍の額を買主様に支払うことで売買契約を解除できます。契約書の中に解除ができる有効期限が記載されています。

▼買主様が融資利用の場合住宅ローン特約の確認※重要事項説明書面も確認されて下さい
住宅ローンを利用される買主様はローンの事前審査が通ったうえで売買契約に臨まれますが、本審査に通らなかった場合に売買契約を白紙に戻すことができ無条件で手付金が買主様に返還されるという内容の特約です。買主様を保護する観点から設けられている特約になりますので、売主様と買主様の認識の違いからトラブルに発展しないよう以下の5点をよく確認しておきましょう。
1点目は特約の種類です。種類には『解除条件型』と『解除権留保型』の2種類があり『解除条件型』は買主様が住宅ローンに通らなければ売買契約は自動的に解約され、『解除権留保型』は買主様が住宅ローンに通らなかった場合に売買契約を解除するための解除通告期限が設けられています。その期限を1日でも過ぎると、買主様はローン特約についての解除ができなくなります。
2点目は融資の金額や内容です。金額は売買契約書に記載がありますが、金利と借入期間は重要事項説明書に記載しています。例えば買主様が売買契約書に記載している融資金額から増額して本審査を申し込むと審査に通らない可能性があります。『売買契約書の記載金額』と『本審査の申込み金額』が違えばローン特約は適用されず、買主様に無条件で手付金を返還する必要はなくなります。
3点目は融資を申し込む金融機関名です。買主様が契約書に記載している金融機関以外に本審査を申し込んだ場合、買主様がその審査に通らなくても。ローン特約は適用されず、買主様に無条件で手付金を返還する必要はなくなります。
4点目は融資承認取得期日です。買主様の方に、いつまでに本審査の結果が出るのかを確認のうえ売買契約書にその予定期日を記載します。もし、この予定期日までに本審査の結果が出ない場合、売主様が承諾されれば融資特約解除期限及び売買契約解除期日を延長する覚書を売主様・買主様の双方で交わします。売主様がローン特約についての解除をされたいのであれば、不動産売買契約解除の覚書を売主様・買主様の双方で交わします。
5点目は融資未承認の場合の契約解除期日です。『解除権留保型』で買主様が住宅ローンに通らなかった場合に売買契約を解除するための解除期限です。住宅ローンが未承認だった場合、買主様の方では未承認を知らせる書面をこの期日までに売主様に届くよう発送します。また、金融機関から信用力の無い買主様とみなされると本審査に時間がかかってしまい、この期日までに本審査の結果が出ない場合があります。審査に通らなければ、売主様は新たな買い手を探さなくてはなりません。売買契約がいつまでも宙ぶらりんの状態にならないため、融資未承認の場合の契約解除期日までに審査結果がおりなければ契約を白紙に戻すことができます。

なお、買主様の方が不動産会社の斡旋を受けずに金融機関にローン審査を申しこむ自主ローンを利用される場合、金融機関へ融資に必要な書類を提出する最終提出日が売買契約書内で決められ、その写しを売主様に提出することが定められています。これは、買主様によるローン申し込みの引き延ばしや、虚偽の書類提出による融資未承認を防ぐための対策になります。
ローン特約に関しては買主様有利の特約になりますが、買主様の故意による申込遅延や審査引き延ばし、虚偽の審査書類に関して特約は適用されません。なお、ローン特約で契約が白紙になりますと、もし、売買契約時に不動産会社に仲介手数料の一部を支払っている場合、売主様・買主様の双方に速やかに返却されます。

(3)手付金について

一般的に中古マンションの売買において売主様は売却価格の10%から20%の額の手付金を買主様から受け取り、売主様は買主様へ領収証を発行します。
また、不動産の売買で手付金は『解約手付』『違約手付』『証約手付』の3種類があります。
中古マンションの売買では殆どの場合が『解約手付』となりますが、後のトラブル防止のためにも必ず解約有効期限を売主様、買主様が納得したうえで取り決めるようにします。

▼解約手付
売買の解約を保証するための手付金です。売買契約後に売主様側からの申し出で契約が解除される場合、売主様は手付金の2倍の額を買主様に支払い、買主様側からの申し出で契約解除の場合、買主様は手付金を放棄することで契約が解除できます。

▼違約手付
債務不履行があった時に相手方に没収される手付金です。売主様が物件を引渡さない状態になった時は手付金の2倍の額を買主様に支払い、買主様が売買代金を支払わない状態になった時は手付金を放棄することになりますが、中古マンションの売買契約書には債務不履行になった際の「損害賠償の予定額」の項目があり、損害賠償額(違約金)についてはそちらで設定されています。

▼証約手付
売買契約が成立した証拠のためのお金ですが、証約手付の意味合いで手付金が交付されることは殆どありませんし、これまで弊社が行った中古マンションの売買契約で証約手付の意味合いで手付金が交付されたことはありません。

売買契約書面の内容に間違いがないことを売主様と買主様の双方がしっかりと確認し、不動産売買契約書、重要事項説明書に署名と捺印、手付金の交付をすることで売買契約が締結となります。

(4)売主様・買主様の日程が調整できず売買契約に同席出来ない場合

もし、売主様、買主様の予定が調整できない場合、売主様と買主様が別々の日程で売買契約を執り行うことになります。

▼持ち回り契約とは
日程調整が出来ない場合、よく行われる方法が持ち回り契約と言われる方法です。まず買主様の売買契約が締結された後、手付金を仲介業者が一旦預ります。買主様の方には仲介業者より手付金の『預り証』が発行されます。仲介業者はその手付金を売主様へ届け、売主様は買主様宛の『領収証』を仲介業者に預けます。仲介業者は預かった『領収証』を買主様の方に届けます。なお、売主様が発行する『領収証』は仲介業者が準備します。
手付金に関しては、お金が入ってきて嬉しい気持ちになりますが引渡しが終わるまでは使わずに取っておいていたほうが安心です。特に買主様が住宅ローンを利用される場合は、先程のローン特約の項目で詳しく述べておりますが、売買契約が白紙撤回になれば全額を買主様に返却しますので、買主様が住宅ローンの本審査を通過するまで手付金には一切手を付けないようにしておきましょう。また、もしかしたら売主様・買主様のいずれかに何かしらのトラブルや、急きょ予定が変わり売買契約をキャンセルするようなことが起こるかもしれませんので、可能であれば引渡し日までは手付金には手を付けずにとっておかれることをお勧めします。
なお、売主様が不動産会社に仲介手数料を支払うのは、売買契約締結日と決済日に半分ずつ支払ったり、決済日に全額支払ったりなど不動産会社によって違いがあります。

▼代理人を立てる場合
代理人が行った売買契約は本人が行った契約と同等の効力を持ちますので、代理人の選出は慎重に行なわれて下さい。なお、代理人が不動産の売買契約を行うには以下の書類が必要になります。委任状には中古マンション特有の記載事項がありますし、また、どこまでの範囲を代理人に委任するのかを記載しておく必要があります。委任状の書式は売主様が準備せず不動産会社に準備して貰うようにしてください。
また、売主様は売買契約の当日は不動産会社や代理人と連絡が取れるようにしておく必要があります。

【必要書類】
委任状(売主様ご本人と代理人の実印を押印)
売主様と代理人の印鑑登録証明書(売買契約日より3ヶ月以内に発行されたもの)
売主様の住民票(売買契約日より3ヶ月以内に発行されたもの)
代理人の身分証明書(運転免許証など写真付きのもの)

▼一括決済とは
売買契約と物件の引渡しを1度で行うケースです。この決済は短時間で間違いなく売買契約から引渡しまでを行わなくてはなりませんので、売主様・買主様の双方が一般のお客様の場合、この決済方法が使用されることはあまりなく、買主様が不動産業者の場合、稀に行なわれます。しかし、ごくごく稀に、買主様が現金購入かつ売主様が物件を即引渡せる状態にある場合、一括決済が行わることがあります。この場合、全て1度で行われますので売買契約書の『手付金』『手付金解除』『危険負担(物件引渡し前の売主様・買主様の責任ではない物件の損失、例えば地震や台風などによる物件の損失を誰が負担するのか。)』の条項は削除されます。
一括決済が行われる条件としては、以下の2項目になります。
・買主様が売買代金の全額を自らの資金で用意できる
・売主様が引渡す物件に抵当権が設定されておらず、尚且つ、直ぐに物件を引渡せる状態にある

また、似た言葉で『同時(同日)決済』という用語があります。
こちらは売主様が『自分の物件を売却するための決済』と『住替え先の物件を購入するための決済』を同時(同日)に行う意味で使用されたり、また『売買契約後の残代金の支払い』と『移転登記』を同時(同日)に行う意味で使用されたりします。
なお、近年の法改正により不動産の売買においてもオンラインでの重要事項説明や売買契約が可能となりました。今後は中古マンションの売買の現場でもオンライン化が進んでいくものと思われます。
参考:※国土交通省 「ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について」

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9.マンションの引渡しまでに行うこと

引越しの荷物や段ボールが積み上げられたリビングの写真

 

(1)融資銀行への連絡

売主様が住宅ローンを利用している場合は融資を受けている銀行に以下の3点を連絡します。
・売買代金で一括完済を行いたいこと
・決済の日時
・抵当権抹消登記に必要な書類の準備を依頼
銀行の方では書類の準備に時間がかりますので最低でも引渡し日の2~3週間前までに連絡するようにしましょう。

(2)マンションを空にする

売買契約を締結したら期日までに引渡しの準備をします。物件にご自身やご家族が住んでいる場合は転居しなければなりません。また、現状のままで引渡す契約をしている方を除き、物件の中は『付帯設備表』に記載した買主様に引渡すもの以外は何もない空の状態で明け渡します。マンションの管理会社、自主管理の場合は管理組合への連絡や駐車場の解約もこの時期に行います。

(3)決済日時を確定する

決済の曜日は金融機関と法務局が開いている平日になります。 時間帯は午前中が一般的です。これは、万一、金融機関で入出金のトラブルが起こった際に対応できる時間帯であり、また、決済後に司法書士が法務局で登記申請手続きを行うため、時間に余裕が持てる時間帯でもあります。誰かが遅刻や忘れ物をしても挽回できるような時間設定でもあります。
余談ですが月末で六曜の大安や先勝(午前中)にあたる日は金融機関が大変混みあいますので相当時間待たされる覚悟が必要です。

(4)決済場所を確定する

決済場所は買主様が住宅ローンを利用するのであれば、その金融機関の応接室に集まり手続きすることが一般的です。稀に金融機関の応接室が借りられないことがありますが、その場合も金融機関に集合しロビーなどで手続きが行われます。
買主様が住宅ローンを利用しない場合は決済をどこの場所で行っても問題ありませんが、一般的に買主様が出金する金融機関で行われることが多く、また、買主様が店舗を持たないネット銀行の住宅ローンを利用する場合は不動産会社の事務所や司法書士の事務所で行われることもあります。

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10.マンションを引渡す当日の流れ

売買契約後、事前に取り決めた日時、場所に売主様・買主様・司法書士・銀行担当者・双方の不動産会社が集まり決済と引渡しが行われます。中古マンションに限らず基本的に決済と引渡しは同日に行われます。

積木で出来た家を手渡しているイメージの写真
(1)所有権移転登記の申請に必要な書類の確認

まず、司法書士により売主様と買主様の本人確認が行われます。運転免許証などの公的証明書が必要になりますのでお忘れなくご持参ください。
次に司法書士が作成した所有権移転登記に係る書類を売主様と買主様が確認し、内容に相違がなければ売主様、買主様双方が署名及び押印します。押印は売主様のみ実印を使用し、司法書士により押印した印鑑が実印で間違いないか印鑑登録証明書との照合等が行われます。
売主様に住宅ローンが残っている場合、決済後に司法書士が住宅ローンを利用している金融機関に提出する委任状にもこの時に押印します。

(2)売買代金などの支払いが行われる

司法書士による確認が済んだところで買主様の出金・振込手続きとなります。殆どの場合、支払いは口座振込により行われます。小切手や有価証券、外国通貨などは不渡りや変動のリスクがあるため利用できませんが預金小切手に限り、まれに利用されることがあります。
買主様の方に出金伝票や振込依頼票など、出金の際に必要となる用紙に必要事項を記入していただきます。物件の代金は大きな金額の伝票になりますので、不動産会社は買主様が焦らずご記入していただけるよう、しっかり気配りします。
売主様に住宅ローンが残っている場合、住宅ローンを利用している金融機関の口座に振込んでもらいます。売主様に住宅ローンなど完済すべき抵当権が無い場合、売主様のお持ちのどの口座に振り込んで貰っても大丈夫ですし、現金で受け取ることも可能ですが、危険なので現金での受け取りはやめて下さい。
また、買主様が銀行ローンを利用しない場合はこの時点で金融機関に出向いていただき振込を行って貰います。また、インターネットバンキングを利用する場合はこの時点でスマートフォンやパソコンを介して振込手続きを行って貰います。
買主様から売主様へ支払われるお金は売買代金の他に固定費の清算金もあります。この場合の固定費とは自治体に納める固定資産税と都市計画税、管理会社(自主管理の場合は管理組合)に支払う管理費、修繕積立金、利用があれば駐車場代金や専用使用料などがそれにあたります。例えば、6月15日に引渡しを行う場合、6月14日までの分は売主様が支払い、6月15日以降の分を買主様が支払うことになりますが、決済時に自治体や管理会社の方に、売主様・買主様それぞれが日割りで支払うことは無理ですので、一旦、売主様がその月分(自治体に納める分はその年分)の全額を支払い、決済時に買主様が日割り分を売主様に支払うことになります。日割り精算の計算書は事前に不動産会社が用意しますのでその計算に基づき支払われることになります。

(3)着金確認を行う

買主様の振込手続き後、売主様側の金融機関で着金の確認が取れるまでには、早いと15分程度ですが金融機関が混みあっている場合は1時間以上かかります。余談ですが、この待ち時間は全員が顔を合わせて過ごします。最初の数十分は話題もありますが時間が経つにつれ話題も無くなり・・・、売主様や買主様をお待たせしなくてはならないこの時間は毎回非常に申し訳ない気持ちになります。
さて、売主様に住宅ローンが残っており抵当権が設定されている場合、司法書士が抵当権設定権者である金融機関に電話をかけ着金確認を行います。もし、売主様に住宅ローンが2000万円残っているのに、物件の売買代金が1990万円の場合、売主様はあらかじめ口座に10万円を入金しておき、売買代金と併せて2000万円になるようにしておかないとローンの完済とはなりません。完済の確認ができないと司法書士による抵当権抹消の手続きには進めません。もし売主様の口座の金額がローン完済金額に満たない場合には、すぐに足りない金額を口座に入金していただき、改めて司法書士による着金確認が行われます。
売主様が住宅ローンを完済されておりインターネットバンキングを利用されている場合はスマホなどの画面で残高を確認していただきます。インターネットバンキング未利用の売主様には事前に振込みが行われる金融機関に決済日時と金額を連絡しておいていただき当日電話で確認が取れるようにしておいて貰います。もし、電話対応に応じて貰えない金融機関の場合は、近隣のATMに足を運んでもらい残高確認を行っていただきます。
万一、近隣にATMが無い場合は、売主様は振込伝票のコピーを受取り、決済及び引渡し完了後、可及的速やかに残高確認を行うことになりす。

(4)諸費用を支払う

中古マンションの決済日には売主様が支払わなくてはいけないお金もあります。
司法書士へ支払う抵当権抹消費用、不動産会社へ支払う仲介手数料がそれにあたります。
それぞれ、いくら支払うのかは事前に不動産会社より書面が渡されますので、その金額を現金で支払い、司法書士・不動産会社から領収証を受取ります。
仲介手数料の支払いを振込で行える不動産会社もありますが振込手数料は売主様のご負担になります。
なお、不動産の売却にかかった仲介手数料や印紙税等の領収書は経費として計上することで確定申告の際に譲渡所得税を抑えることができますので大切に保管しておきましょう。

(5)鍵の引渡し及び売買物件引渡し確認書の記入

最後に売主様から買主様へ玄関やオートロックの鍵、宅配ボックスや駐車場のカードキーなどが引き渡されます。
『売買物件引渡し確認書』とは売主様から買主様に登記関係の書類が交付され、物件が引渡され、買主様から売主様へ代金の支払いが完了したことをお互いが確認したよという意味の書面になります。引渡確認書は法律で決まっている書類ではありませんので不動産会社によっては書類の発行がないこともあります。弊社の書式では、売主様から買主様にお渡しした鍵の種類と本数や、メールボックスの番号と開け方などを記載するようにしています。

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11.司法書士による登記の手続き

登記済権利証の写真

無事に決済が完了したからといってマンションの所有権が自動的に売主様から買主様へ移転されるわけではありませんし、住宅ローンを利用していた売主様の抵当権が登記簿から自動的に消えるわけではありません。
買主様が「マンションの持ち主が変わったよ」という事を法的に主張できるようにするためには、所有権を失う売主『所有権義務者』と所有権を取得する買主『所有権権利者』が共同で手続きする必要があります。ただし、司法書士に委任状を渡すことで司法書士が手続きすることができます。
そのため司法書士は決済終了後に法務局へ出向き『所有権移転登記』という申請を行います。『所有権移転登記』は誰でも行えますがプロである司法書士にお任せするのが安心です。売主様が住宅ローンを利用されていたのでしたら司法書士はまずローンを利用していた金融機関に出向き、抵当権抹消登記のために必要な書類を受取り、法務局で登記申請を行います。法務局で抹消登記が完了すると『登記完了証』が交付されます。この『登記完了証』は窓口か郵送で受領することができます。

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12.引渡したマンションのことで買主様からクレームが入ったら

▼買主様から入るクレームの一例
・上階の足音等の騒音トラブル
・隣家がゴミ屋敷で異臭がする
・ペット禁止のマンションなのに飼育している住人がいる
・給湯器などの設備が壊れた

キッチンの前で業者に苦情を言っている女性の写真

前述の『8.不動産売買契約を締結する(1)告知事項をチェックする』の項目で説明しました通り、このような購入後のトラブルを避けるために、売主様の方で判っていることは全て告知書に記載しておかなくてはなりません。例にあげました異臭などは住んでいたマンションでしたら判っている事になりますので告知事項にきちんと記載しておけば何も問題ありません。しかしながら騒音など環境的な問題については人それぞれ感じ方が変わります。もしかしたら買主様が極端に神経質な方かもしれません。直接売主様と買主様がやり取りせず、必ず仲介した不動産会社に間に入って貰いましょう。
設備の問題ですが、居住中に判っていた不具合は事前に付帯設備表で告知しておりますが、売主様が気づかれていない部分で、例えばキッチンの配管の水漏れなど引渡し後に故障してしまった場合、もし売買契約書に引渡しから何日間までは売主様に補修義務があると記載されていたら、売主様が補修費用を負担することになります。

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13.居住していた中古マンションを売却した後で請求される税金

税と書かれた写真

物件の売却で利益が出た場合は『譲渡所得税』がかかってきます。売却して得た利益(売却益)は給与所得以外の所得になりますので会社員の人でもマンションを売却した翌年の2月中旬~3月中旬の間で確定申告を行わなければなりません(確定申告の申請期間は税務署で確認すること)。確定申告を忘れている場合や故意にしなかった場合は税務署から問い合わせや調査が入り、場合によっては延滞税や無申告税、重加算税が課せられることがありますので注意しましょう。
『譲渡所得税』は売却益が無ければ課税されません。

▼売却益
マンションを『買った金額』より『売った金額』の方が高い場合、即ち下記で算出した金額で(B)の方が高くなると課税対象になります。
(A)マンション購入額+諸経費(購入時の仲介手数料、印紙税、登記費用)
(B)マンション売却額-諸経費(売却時の仲介手数料、印紙税、登記費用)
また、売却益が出た場合でも3,000万円まで控除できる特例がありますが、こちらの適用には様々な条件が付けられていますので詳細は必ず国税庁のホームページでご確認下さい。
参考:国税庁「(よくある税の質問)No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
一方、万が一マンションを売却し損失が出た場合も、翌年に損失を繰り越せる特例が使えることがあるのですが、その特例を利用するには確定申告をしなければなりません。 つまり、利益が出ても損失が出ても、必ずマンションを売却した際は、確定申告を行うように気を付けましょう。こちらも適用には様々な条件が付けられていますので詳細は必ず国税庁のホームページでご確認下さい。
参考:国税庁「(よくある税の質問)No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」
参考:国税庁「(よくある税の質問)No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」
確定申告は、税務署で必要書類を用意して手続きを行うこともできますが、オンラインで確定申告をすることも可能です。 確定申告をして納税すればこれで中古マンション売却に係る処理は無事に完了となります。

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14.まとめ

建ち並ぶマンションの上空に虹がかかっている写真

中古マンションの売却という高額な不動産取引で失敗しないためには、まずは時間に余裕を持って計画的に売却を進めていくことが大切です。売り急いでしまうと相場より安い価格で売ってしまう可能性があり、場合によってはトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。次に、すべてを不動産会社に任せるのではなく売主様ご自身も最低限の知識を身につけておくことも大切で、そのうえで、売却を任せてもいいと思える、信頼できる不動産会社を選ぶ必要があります。中古マンションの売買に実績のある不動産会社であれば、売却の適切な流れを分かりやすく説明してくれますし、万一、トラブルが起こった際は過去の経験から対応力もあります。中古マンションの売却は業者選びで明暗が分かれると言っても過言ではありません。

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中古マンションの売却で売主様が支払う諸費用

収入印紙代

売買契約書には、例えば物件価格が1千万円を超え5千万円以下ですと1万円の収入印紙を添付する必要があります(令和5年4月1日現在)。正確な金額は国税庁のホームページをご確認下さい。なお、売主様が法人の場合は手付金の領収書に収入印紙の添付が必要になります。 参考:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」

抵当権抹消登記費用(抵当権設定登記がなされている場合)

例えば住宅ローンの残債が残っているなど、物件に抵当権が設定されている場合は売却前に完済する必要があります。ローンを完済すると抵当権を抹消する手続きができ、この時に対象のマンションがある地域を管轄する法務局で行う登記のことを抵当権抹消登記と言います。抵当権抹消登記を行う際、国に支払う登録免許税の費用は1件1,000円で、マンションの1室を売却する際は、住戸1戸につき1000円、土地1筆につき1000円で、併せて2,000円がかかります。もし、マンションの土地が数筆にまたがっている場合は数筆分×1000円が必要になります。 また、この手続きは個人でもできますが司法書にお任せする方が安心です。司法書士により報酬額は異なりますが、一般的に10,000円~25,000円かかります。

住所の変更登記費用

売却する物件の『登記簿に記載されている住所』と『住民票に記載されている住所』が異なる場合、登記簿に記載されている住所と住民票の住所を同じにする必要があります。この手続きは個人でもできますが司法書にお任せする方が安心です。

▼必要になる費用
・住民票または戸籍の附票発行手数料:200円~400円
・収入印紙代:住戸1戸につき1000円、土地1筆につき1000円、マンションの土地が数筆にまたがっている場合は数筆分×1000円が必要になります。
・司法書士への報酬:10,000円~25,000円
・(登記事項証明書発行手数料:480円~600円※オンライン、書面請求等で金額が異なります)

氏名の変更登記費用

例えば結婚などで、売却する物件の『登記簿に記載されている氏名』と『住民票に記載されている氏名』が異なる場合、登記簿に記載されている氏名と住民票に記載されている氏名を同じにする必要があります。この手続きは個人でもできますが司法書にお任せする方が安心です。

▼必要になる費用
・戸籍謄抄本:料金は自治体により異なります。登記簿上の氏名(変更前の氏名)、現在の氏名と氏名の変更の日が記載されているものが必要になります。戸籍謄抄本に変更前の氏名が記載されていない場合には、変更前の氏名の記載がある除籍謄抄本も添付する必要があります。
・収入印紙代:住戸1戸につき1000円、土地1筆につき1000円、マンションの土地が数筆にまたがっている場合は数筆分×1000円が必要になります。
・司法書士への報酬:10,000円~25,000円
・(登記事項証明書発行手数料:480円~600円※オンライン、書面請求等で金額が異なります)

不動産仲介会社への報酬

▼仲介手数料の速算法

物件価格 仲介手数料
200万円以下 物件価格×5%+消費税
200万円超 400万円以下 物件価格×4%+2万円+消費税
400万円超 物件価格×3%+6万円+消費税

※物件価格が400万円以下の場合『低廉な空家等の売買取引の特例』があります
※場合によっては『特別に依頼した広告の料金』が別途加算されます

住宅ローンの一括返済手数料

住宅ローンがまだ残っている場合は、一括で繰り上げ返済をすることになりますので、ローンを組んでいる金融機関へ数千円から数万円の一括返済手数料を支払うことになります。手数料の金額は金融会社によっても、インターネットで行うのか窓口で行うのかによっても異なりますので、事前に確認が必要です。

引越し費用

居住しているお部屋を売却する際には引越し費用が必要になります。もし、急に買い手が見つかり1カ月後に引渡しとなった場合、直ぐに賃貸物件が見つからない場合は仮住まいのマンスリーマンションの費用や一時的に荷物を保管するトランクルームのレンタル料金も発生します。

場合によってはハウスクリーニング費用

なかなか買い手が見つからない場合、少しでも売却物件の見栄えを良くするためにハウスクリーニングを利用することがあります。不要な家財等があれば、加えて処分のための費用がかかります。

マンション売却時に売主様の方で準備が必要になる書類や印鑑の種類

必ず揃えなくてはならない書類など

▼身分証明書
ご本人様確認のため売買契約締結前と決済時に必要になります。

▼登記済権利証もしくは登記識別情報通知書
売買契約の際は内容を確認するだけですが、決済時には権利書を司法書士に渡し所有権移転登記の手続きを行います。ちなみに2005年より前に購入したマンションは登記済権利書という名称になっており、それ以降に関しては簡略化された登記識別情報です。もし紛失してしている場合は別途手続きが必要になりますので早めに不動産会社に相談しましょう。なお、紛失時は売主様で費用負担のうえ、司法書士に別途書類を準備して貰うことになります。

▼固定資産税公課証明書(・固定資産税評価証明書・都市計画税納税通知書)
売主様と買主様で税金を日割りで負担するため、清算書の計算根拠として使用します。また、移転登記を行う際の登録免許税の算出のために必要になります。
市区町村の税務課で取得できますが、売主様の委任状がございましたら不動産会社の担当者が取得代行できます。固定資産税納税通知書をお持ちでしたら新たに固定資産税公課証明書を取得する必要はありません。

▼印鑑登録証明書、実印
一般的に売買契約書には実印を押印しますが、その際に不動産会社から印鑑登録証明書を求められましたら印鑑登録証明書が必要になります。
決済時には不動産の所有権移転登記の添付書類として3カ月以内に発行された印鑑登録証明書が必ず1通必要になります。共有名義の場合は共有者全員の印鑑登録証明書が必要です。

▼売買代金入金先の通帳、銀行印
決済時に買主様から売買代金が振り込まれた際に着金確認のため通帳が必要になります。着金確認に銀行印は不要ですが、決済当日の銀行印の要否は不動産会社に確認されてください。

▼認印
マンション売却では様々な場面で書類に押印します。実印が必要な書類もありますが例えば媒介契約書は認印で問題ありません。実印と印鑑登録証明書は個人を証明する大切なものですので認印で問題ない書類には認印を押印するようにしましょう。

状況次第で必要になる書類など

▼戸籍謄抄本1通
 登記簿の氏名と現在の氏名が違う場合は必要です。戸籍謄抄本に変更前の氏名が記載されていない場合には、変更前の氏名の記載がある除籍謄抄本も必要になります。

▼住民票1通
 登記簿の住所から1回移転された場合、登記簿までの変遷を確認するために必要です。

▼戸籍の附票1通
 登記簿の住所から2回以上移転された場合、登記簿までの変遷を確認するため必要です。戸籍の附票が保存期間経過で破棄されている場合は不在住証明書が必要になりますが、詳細は必ず司法書士に確認をとられてください。

▼登記で必要になる書類
登記原因証明情報や委任状、代理権授与証明書(決済に立ち会えない場合)など登記関連の書類は司法書士が準備しますので、売主様の方ではそちらの書類に署名及び実印での押印が必要になります。

▼耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書
書類がなくてもマンションの売却はできますのでご安心ください。
売却活動の際に、これらの報告書がありましたら、耐震診断やアスベスト調査がきちんと行われているマンションということで、購入を迷われている方へアピールすることができます。売却が決まった際には、耐震診断やアスベスト使用調査が行われているマンションでしたら重要事項説明書に記載が必要ですので各報告書が必要になりますが、売主様が紛失されている際は不動産会社が管理会社や管理組合から取り寄せます。

▼マンション購入時のパンフレット
パンフレットがなくてもマンションの売却はできますのでご安心ください。
新築時のパンフレットには、マンションのアピールポイントが最大限判りやすく記載されていますので、パンフレットがあれば買主様にアピールしやすくなります。お持ちのパンフレットはマンション売買が決まったら買主様に譲渡します。もし紛失している場合は施工会社や管理会社に依頼すると発行してもらえる場合もあります。

売却活動時にお借りできると有難い書類

以下の書類は、売買契約時に買主様にお渡しするため必要になります。売買契約書と重要事項説明書の作成時には不動産会社の方でも必要になりますので、不動産会社が最新のものを管理会社から取り寄せます。従いまして売買契約時は買主様には取寄せた最新の書類をお渡しするのですが、マンションの売却活動時にこれらの書類がありますと不動産会社は非常に助かりますので、売却活動時にお手元にある書類をお貸しいただけますと本当に有難いです。

▼管理規約、議事録、長期修繕計画書
管理規約はマンション購入時に前売主様や管理会社より交付されており、議事録と長期修繕計画書は管理会社から渡されます。

引越しの際の主なやることリスト

手続き方法が市区町村や団体によって異なりますので必ず事前に関係各所へご確認ください。特に※印は事前に必ずご確認をお願い致します。

▼転居が決まったらすぐに行なうこと
・管理会社等に退去の連絡(駐車場の解約)
・引越し方法・引越し日を決める
・引越し業者を利用する場合は見積り依頼、予約をする
・引越しを自分で行う場合は大型車を手配する、エアコンなどプロの手が必要な設備の取外しを手配する

▼引越し日のおよそ2週間前までに行なうこと
・段ボール、ガムテープ、梱包材など資材を手配する
・不用品を処分する
・粗大ごみを処分する※(市区町村の回収を利用する場合は予約する)
・固定電話の(停止/開始)連絡
・インターネット(停止/開始)連絡
・転出・転居届を提出(今と違う市区町村へ引越す場合)※
・国民健康保険の資格喪失届を提出(今と違う市区町村へ引越す場合)※
・印鑑登録の廃止(今と違う市区町村へ引越す場合)※
・児童手当、福祉手当、医療制度等手続き※(必要書類を事前に確認)
・125cc以下原付き自転車廃車申告※(ナンバープレート、標識交付証明書、印鑑等を準備)
・小中高生のいる世帯は転校届を出す※(公立は役所、私立は学校窓口で手続き)
・ガス会社へ(停止/開始)連絡
・電力会社へ(停止/開始)連絡
・水道局へ(停止/開始)連絡
・NHK・ケーブルテレビへ移転連絡
・新聞購読の移転連絡
・定期配達サービスご利用の方は移転連絡
・郵便局の転送手続き
・携帯電話会社へ移転連絡
・銀行・郵便局で住所変更手続き
・保険・クレジットカード・株券など、住所変更手続き
・新居の掃除・下見、レイアウトを決定(カーテンや家具などのサイズを確認 )
・荷造り開始(ダンボールには万一の紛失に備え通し番号を記載)
・旧居の掃除・ゴミの処理(ゴミ出しの日程を確認し、前もって準備)
・引越し挨拶の準備(何か品物を持参する方は必要な個数の確認)
・灯油の処理※(ガソリンスタンドなどで処分)

▼引越し前日までに行うこと
・冷蔵庫の食品を全て取り出し電源を切り水抜きと霜取りをしておく
・洗濯機の水抜き、中の水とホースの水も抜き、コードと一緒に固定しておく
・親しい方へ転居の連絡(葉書を出す方は作成と発送)
・当日持っていく貴重品類等をまとめる
・当日使用する掃除用具、梱包用具をすぐに取り出せるようにしておく

▼当日行うこと
・旧居の明け渡し
・旧居の電気・ガス・水道を閉栓、戸締り(電気はブレーカー、ガス・水道は元栓を切る)
・新居の電気・ガス・水道を開通
・ご近所へのご挨拶

▼引越し後に行うこと
・転居届・転入届を出す(違う市区町村から転居してきた場合)※
・国民健康保険、国民年金手続き(違う市区町村から転居してきた場合)※
・印鑑登録手続き(違う市区町村から転居してきた場合)※
・児童手当、福祉手当、医療制度等手続き(違う市区町村から転居してきた場合)※
・転入学届を出す※在学証明書・転入学願い等を準備
・運転免許証の住所変更※運転免許証・住民票・印鑑等を準備
・自動車の登録変更・車庫証明の発行※
・バイクの登録変更※
・飼い犬の登録※
・パスポートの住所変更※
・荷ほどき、ダンボールは引越し会社へ引取りを依頼、または自分で廃棄
参考:「福岡市webマップ」段ボールなど紙の回収場所が検索できます

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